ここは北町奉行所のお白州。
お裁きを待つ悪人連中とその被害者達が、お奉行様を待っています。
と、そこへ。

「北町お奉行〜、紅夕華之丞様〜、ご出座〜〜〜!」

現れたのは、飛龍界の女奉行と名高い、すらりとした体つきの
涼しげな中にも理知的な雰囲気と強い意志を感じさせる女性でした。
彼女はゆっくりと座り、平伏している皆を見渡します。
いよいよ、吟味の始まりです。

証拠はないものの、自分達という生き証人がいる上に、下手人達は揃いも揃った悪人顔。
何の問題もなくお裁きは終わるものと被害者達は思っていました。
ところが、決定的な証拠がない為に悪人達が騒ぎ立てます。

「お奉行様はこんな小娘や老いぼれの言うことを信じるんですかい」
「俺達がやったってんなら、証拠を出してもらおうじゃありませんか」
「そうだ、証拠だ、証拠だ!」

我慢できなくなって、被害者の一人である娘が顔を上げました。

「恐れながら申し上げます! 確かに証拠はございません。ですが、お夕さんという芸者の方が
私達を助けてくれて、ここにいる人達をやっつけてくれたんです!」

必死な娘の訴えに、しかし余裕のある悪人共はげらげら笑うばかり。
そればかりか、口々に娘をバカにし始めます。

「そんな女ぁ、いやしねぇよ!」
「そうだそうだ! いるってんなら、ここに連れてきてみせろよ!」
「もしその女が出てきたら、認めてやってもいいぜ!」

ふと、今まで黙っていたお奉行様がすっくと立ち上がりました。

「やかましい!!」

勢いよく自分の右の袖から腕を抜くと、なんと!

桜ぁ、花びらぁ、散ぃるぅ前にぃ♪

露になったその右肩にあるのは、芸者・お夕と同じ入れ墨ではありませんか!

目の前のお奉行様が、自分達を痛い目に合わせた芸者本人だと知り、悪人達はぐうの音も出ません。
一方の被害者達は、彼女が自分達の命の恩人だと分かり、声を失いました。

——どうやら、裁きが下される時はすぐそこまで迫ってきているようです。

------------------------------------------------------------------

花といえば桜、桜といえば御存じ遠山の名奉行!!
と、管理人の時代劇スキーな面が炸裂したおバカなパロ絵&ミニミニストーリーでした(笑)。
台詞はお好みの金さん節でお楽しみ下さい♪
仮の姿は、女の遊び人ってあんまり時代劇で見た覚えがないので、芸者さんにしてみました。
でも、芸者で夜中悪人退治するのって……なんか仕事人っぽいですね(^^;)。

ちょっと絵の台詞(漢字らへん)が見にくい方もいらっしゃるかもしれませんので、補足。
……って、決め啖呵だから、皆さん分かるかも(笑)。
「やいやいやい悪党共! 夜空に咲いたこの夕華さんのお目付桜、まさか見忘れたとは言わせねぇぜ!!」
いや〜、夕華ってこういうの似合うなあ(爆笑)。実は江戸っ子だったりして。